- 看護科専攻科
専攻科1年生 終業式
3月17日、専攻科1年生が終業式を行いました。
校長先生のあいさつでは、
この一年間で看護学生としての自覚が高まっていると感じています。
自覚が高まった理由の一つは、病院実習がより専門的になり、実習時間も増え、病院実習の中で、
たくさんの人に揉まれて成長したからではないかと推察します。人間は、いろいろな人々との関りを持つことで
成長します。特に看護師の仕事は相手が人で、人の命に係わる仕事です。様々な人と関わって、
人間的に成長していくことが大事です。
ここで、人間的成長についての参考になると思い、「病気を診ずして 病人を診よ」という言葉を紹介します。
この言葉は、140年前に東京で慈恵大学及びその附属病院を創設した医学者 高木兼寛 博士の言葉です。
この言葉の意味は、病気を見るよりも、病人その人そのものを診ることが大切だということです。
高木博士は、脚気という病気の研究者として歴史に名を残しています。明治時代、軍隊で脚気という
病気がはやったとき、東京大学や陸軍の医師団は、脚気は伝染病であるとし、病原菌を見つけることばかりして、
病気を治すことができませんでした。対して、高木博士は、病人をよく観察して、食事内容から脚気の原因は
白米、つまり白いご飯ばかりを兵隊が食べているからだと考え、玄米を兵隊に食べさせて治療に成功しました。
高木博士は病人をよく診ることで、脚気の原因が病原菌ではなく、白米を食べることによる栄養欠陥であることを
発見したのです。白米に足りない栄養が何なのかは分かりませんでしたが、22年後、オランダのエイクマン博士が、
その栄養がビタミンB1であることを突き止め、高木博士の考えの正しさを証明して、ノーベル医学生理学賞を受けました。
高木博士は「医学的力量はもちろん大事だが、人間的力量を兼ね備えた、つまり、あたたかい心をもった医療従
事者を育てること」が大事だ、という意味で「病気を診ずして 病人を診よ」という言葉を遺しました。
この言葉を参考にしていただき、皆さんも、人間的力量と、あたたかい心をもった看護師を目指して、
これからの勉強や病院実習に励んでほしいと思います。さて、明日から春休みが始まり、皆さんは4月から
専攻科2年生になります。本校での5年間の最後の年です。誰しも「終わり良ければ総て良し」となりたいと
思っていると思います。そのためには4月に良いスタートを切ることが大事です。
春休みも一日一日を大切に過ごして、来年度への準備をしてください。以上、あいさつとします。
校長先生の挨拶を真剣に聞く専攻科生の姿は、一年前よりも確実に成長している様子が見られました。
いよいよ迎えるカタリナ学園での最後の一年間。共に過ごしてきた仲間とともに、国家試験合格と暖かな心を持った
医療従事者として社会に貢献することを目標に頑張ってください。
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